全日本ピアノコンクール

吉永悠人さん

小学生低学年部門最優秀賞は、兵庫県西宮市立北夙川小学校2年生の吉永悠人さんです。昨年、姉の結香さんが小学生中学年の部(B級)で金賞を受賞。いつもコンクール出場のために全国各地へ遠征に出かけるかっこいいお姉さんの姿を見て、悠人さんも、東京や横浜で全国大会が開かれるコンクールに憧れていたと言います。お母様と結香さんも付き添うなか、お話を聞かせてくれました。

吉永悠人さん

「いつも姉を見送るほうなので、自分が見送られてみたかったんです」と悠人さん。さらに、姉の結香さんと悠人さんが通うお教室には、2020年中学生部門第一位の白石百萌音さん、2021年小学生高学年部門最優秀賞の関口想与さんも在籍。「自分もこのインタビューを受けられるなんて、とても嬉しいです。ありがとうございます!」と笑顔が弾けます。

「たくさんの人に聴いてもらうのが好きだから、ステージではほとんど緊張することがなくて、いつも楽しみ。初めて弾くピアノとすぐに仲良くなるのは難しいことですが、今回の全国大会は、イメージを膨らませ、気持ちよく弾くことができたと言います。審査員からは「素晴らしい演奏」と高く評価されました。

師事する本家規代先生のレッスンは、こうしなさい、ではなく、自分から気持ちよく弾けるように、面白いたとえや絵でわかりやすく提案してくれます。毎週楽しみで、レッスン中はずっと笑っているほど。お母さんも、「規先生が、パワースポットそのもの」と話します。

大好きな本家規代先生と

悠人さんは、1歳から徳山潔美先生のリトミック教室に通い、さらに「お姉ちゃんがとても楽しそうに弾いていた」から、4歳でピアノをはじめました結香さんがレッスンを受ける様子や、自宅で練習する様子をそばで見ていた悠人さん。音楽に親しんでいったのも自然なことでした。初めて弾いた曲は、お母さんとの遊びのなかで覚えた『ゲゲゲの鬼太郎』。弾けることが面白くて、どんどんのめりこんでいきました。幼稚園のころはピアノを弾いてから登園、ピアノを弾くことが歯磨きのように習慣になっていたと言います。

気づけばいつも音楽がそばに

平日は、学校から帰宅すると、夕食までの時間を、結香さんと分けあって練習します。ふたりの成長と共に時間はどんどん足りなくなり、ピアノをとりあいながら練習に励んでいます

姉の結香さんとはいつか連弾をしてみたい

休日は、家族で過ごす時間も大切にしています。一人がピアノを練習するあいだ、もう一人とお父さんは、料理や家事こなします。時間を有効活用して、家族で出かけたり、外でからだを動かしたり、悠人さんは最近ギターにもチャレンジしています。「ピアノだけではな、いろいろな経験をすることや美しい景色を見ることが、感情を育て、演奏にも反映されるはず」、お父さんお母さんはそう考えています。

パパと一緒にギターでJPOPに挑戦中

悠人さんはこれまで、毎日の練習をつらいと思ったことは一度もありません。ただ、小さいころはなかなか思うように弾けない自分が悔しくて、泣いてしまうこともありました。いまは「できないから練習してるんだ」と、根気強く、むしろゲームのように楽しんで挑戦しています。

そんな悠人さんにとってのピアノの魅力は、「いろんな曲の世界に入り込めること。たとえば、今回の課題曲『タランテラ』では、毒グモに狙われ、刺され、もがき苦しんだり、不安になったりして、呪いの踊りがくり広げられる世界へ……。自由曲『秋に』では、ハロウインの魔女やゾンビが登場する世界へ……。その曲ごとに、ストーリーはもちろん景色や登場人物のキャラクターがあって、そういう世界観をいつも楽しんでいます」。

最近では、姉弟の成長を記録しようと、YouTubeで動画を発信しています。「たくさんの人に自分の演奏を聴いてもらえることが嬉しくて、わくわくします。動画にコメントをもらうと励みになります」と悠人さん。将来の夢はたくさんありますが、「大好きなピアノは、絶対に続けていきたい。これからも感謝の気持ちを忘れず、頑張ります」。

ピアノはずっと続けていく

 

お姉さんの姿に憧れていたという悠人さんですが、全国大会での様子は堂々としていて、とてもかっこよかったです。今回は、ご家族皆さんでインタビューに関わってくださり、その仲の良さが伝わってきました。これからも笑いいっぱい笑顔いっぱいで、ピアノを楽しんでくださいね。

※悠人さん、結香さんのYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@yuikayoshinagaharuhito2157

※文中の学年・年齢は、エントリー時のものです。
※インタビューは1月下旬に行いました。

全国大会での吉永悠人さんの演奏はこちら