⾼校⽣部⾨は、桐朋⼥⼦⾼等学校⾳楽科に通う⼩⽥切⼼結(おだぎりみゆ)さんが1位に輝きました(コンクール当時は2年⽣)。審査員からは「⽴体感のある演奏」「意欲的な⾳づくり」と評価され、今後の成⻑にも期待が寄せられました。
⼩⽥切⼼結さん
“2023年は本番を経験する年”にしていたという⼼結さん。「年内最後のコンクールだったから⼒が⼊るところはあったけれど、2曲のうち最初に弾いたバッハの作品は、⻑い時間をかけて準備してきたので、2曲⽬のモーツァルトも落ち着いて弾くことができました。ホールに響く⾃分の⾳をしっかり聴きながら、楽しんで弾けたなと思います。⾃分の納得のいく演奏ができて、結果には嬉しいのひと⾔です」。当⽇、ホールで聴いていたお⺟さんは「曲が進んでいくにつれて、どんどんワクワクした」と声をかけてくれました。
ピアノを始めたのは、4 歳のとき。お⺟さんがピアノ講師のため、⾃宅ではつきっきりで教えてもらっていましたが、別の先⽣にもついてレッスンを受けてきました。⼩学校1年⽣のときに、初めてコンクールに挑戦するものの⼊賞はできず、⼩学校2年⽣から桐朋学園⼤学⾳楽学部附属⼦供のための⾳楽教室 仙川教室に通いはじめると、第38回ピティナピアノコンペティションA1級本選で第1位となるなど、コンクールで成績をおさめることができるようになりました。
「⼦どものころから、気づいたときには毎⽇ピアノを弾いていました。練習が好き嫌いという以前に、⼀⽇のうちにやらなくてはいけないことのひとつがピアノでした。息を吸うのと同じくらいの感覚」。だから、これまでに⾟いとか苦しいと思ったことはありません。そして、練習する上での成⻑過程や、曲を仕上げていく中での学びを⼤切にしています。
ずっとピアノのある生活
いまは、朝5時ころに起きて⽀度をし、早く学校に⾏って練習。昼休みや⾃宅でピアノ教室をしているお⺟さんの仕事が終わった夜に、時間を⾒つけては練習しています。 ⼀⽅、夏休みなど⻑期の休みには、午後に集中的にピアノに向かいます。コンクールの前以外は、ゆ っくり弾いたりリズム練習をしたりメトロノームと⼀緒に弾いたりと、基礎的な練習を中⼼に取り組んでいます。
そんな⼼結さんですが、「めちゃめちゃ緊張するタイプなので、本番は笑顔でいることと、⼒を抜くことを⼀番に考えて弾いています」。舞台袖へ⾏く前にお⺟さんに背中を強く叩いてもらったり、ストレッチをしたりして、⼼拍数が上がるのを抑え、緊張を和らげるような⼯夫をしていると⾔います。でも、⾼校に進学してからはすこしずつ、演奏途中も冷静に考えて⾳に気をつけながら弾くことができるようになってきました。
ピアノ中⼼の毎⽇ですが、「インドア派でずっと家にいたいタイプなのですが(笑)、唯⼀の趣味が、料理。ホールケーキを作るのが好きで、⼩学⽣のころから始めてどんどんハマっています。いままでで⼀番うまくできたのは、りんごを薄くスライスしてお花のように並べて焼いたタルト」と⼼結さん。「本番が終わると、アドレナリンが出ているのか寝られなくなってしまうこともあるので、深夜にひとりでつくることもあります。笑」
手作りのりんごタルト
また、季節ごときれいな景⾊を⾒にいくことも⼤事な息抜きです。「⾃分の感性を磨けたらと、お花⾒や花⽕など近場であっても外へ出かけるように意識しています。美術館に⾏くことも多いです。たとえばフランスの作品が展⽰されていたら、その時代背景や歴史を学んで、その上でフランスの作曲家のことを学ぶとつながることもあって、いろいろな視点でものごとを⾒ることができるのが楽しいです」。曲の分析も好きなので、⾳楽理論を深く学ぶ道も今後の選択肢のひとつです。
でも、なにより⼀番の⽬標は、演奏家になること。「演奏することが好き。コンクールで結果が出たときもそうですが、審査は関係なく演奏会などで先⽣や友⼈や⺟が私の演奏を聴いて、ここがよかったよとかここが素敵だったよと⾔ってくれるときが嬉しいです。でも、まだまだ技術を⾝につけないといけないと思っています」。
国内外にすばらしいピアニストがたくさんいて憧れもありますが、おなじ⾼校に通う同級⽣から刺激を受けることが多く、⾃分も頑張ろうと思えると⾔います。「楽器は、その時その時の⾃分の気持ちや想いを⾳に乗せたり、ダイレクトに⾃分をぶつけることができるもの。でも、まだまだ研究が必要だと思っています」。⼼結さんが⽬指すのは、⼈に寄り添える⾳楽を奏でられる演奏家。その⽬標に向かって、⼼結さんのピアノとの⽇々は続きます。
人に寄り添える音楽を
画面越しにインタビューに応える様子はもちろん、メールでのやりとりもとても大人びていた心結さん。同級生からたくさんの刺激を受けているという高校生活も、残すところあと半年です。人として演奏家としてどんな成長を遂げていくのか、これからも目が離せません。
※文中の学年・年齢は、エントリー時のものです。
※インタビューは1月中旬に行いました。
全国大会での小田切心結さんの演奏はこちら。
