全日本ピアノコンクール

鈴木杏奈さん  鈴木桃子さん

連弾部門U30の部では、鈴木杏奈さんと鈴木桃子さんの姉妹デュオが最優秀賞に輝きました。連弾歴21年。姉妹であることはさることながら、長い時間をかけて丁寧に築きあげられてきたふたりの演奏は、安定感やバランスの良さ、完成度の高さなどが評価され、いずれの審査員も高い評点をつけました。

鈴木桃子さん・鈴木杏奈さん

ピアノ教室の発表会でペアを組むようになってから、コンクールの連弾部門にも継続的に出場してきたというふたり。これまでも、べーテン音楽コンクール全国大会やピティナ・ピアノコンペティション全国大会で結果を残してきましたが、「全日本ピアノコンクールでも今回から連弾部門が新設されることを知って、挑戦してみたいと思いました」と妹の桃子さん。姉の杏奈さんは「社会人になり、コンクールに挑戦する機会が減っていましたが、自由曲でエントリーできることや動画審査があることから、挑戦してみようと思いました」と振り返ります。

2歳違いの姉妹ですが、ふたりともピアノを弾きはじめたのは4歳のときです。同じマンションに住んでいた笹山美由紀先生との出会いがきっかけで、以来ずっと笹山先生から指導を受けてきました。最優秀賞という結果に、「素晴らしい賞をいただけて、とても嬉しいです。このような機会を提供してくださった関係者の皆さん、ご指導くださった笹山先生に感謝しています」とふたりで喜びます。

桃子さん、杏奈さん、笹山美由紀先生

小さいころは、ピアノ教室のお友だちと組むこともありましたが、いちばん落ち着くのは姉妹ふたりでの連弾でした。現在も一緒に住んでおり、平日は仕事の前後、休日はそれぞれの予定を調整して、毎日の練習時間を確保しています。こうして一緒に練習する時間を調整しやすいことはもちろん、音のバランスを取ったり呼吸のタイミングを合わせたりしやすいことが、姉妹で演奏することの強みだと感じています。

「ピアノは音域が広く、様々な音色を表現できるところが好き」と桃子さんが言えば、杏奈さんも「聞いている人に曲のイメージや思いが伝わったときは嬉しいなと思います。それに、同じ曲でも弾く人によっていろんな変化があったり、表現ができたりするところは面白くて、ピアノの好きなところ」と話します。その上で、一人ではできない音の幅の広さや表現ができるところに、連弾の魅力を感じています。普段から、ふたりで相談しながら、曲に対するイメージを膨らませ、さらにどのような曲にしたいか、イメージを深堀しながら練習を進めています。

ピアノはもちろん、ふたりとも運動が好きで、一緒に出かけてアクティブに過ごしています。リズミカルな曲を選ぶことが多いのも、運動好きが選曲にも影響しているのかもしれません。普段から仲良しの姉妹です。

発表会で2台ピアノを演奏

これまでもさまざまなステージに立ってきましたが「舞台に立つと緊張してしまい、本番で思うような演奏が出来なかったことや、技術不足で思うような表現ができないこともありました」と杏奈さん。桃子さんも、「どのように弾きたいか考えても、実力不足でうまく表現できなかったときは苦しい」と感じます。それでも、姉妹一緒にこれまでピアノを弾き続けてきました。そこには、お母さんのサポートという大きな支えがあったことは言うまでもありません。レッスンへの送り迎えはじめ、コンクールへの付き添い、日々の体調管理など、ずっとそばでふたりを応援してくれています。だからこそ、社会人になってもピアノを続けられることへの感謝の気持ちを忘れたくないと、口を揃えます。

「これからも楽しんで連弾を続けて、曲の魅力を伝えられるような演奏がしたい」と桃子さん。杏奈さんも「これからも、ピアノは楽しんでずっと続けていきたいです。お教室の発表会などを通して、小さい子どもの生徒さんたちにピアノを弾くことや連弾することの楽しさを伝えられるような演奏をしていけたら。これからも連弾を続けて、いろんな曲にチャレンジしたい」。これからもふたり一緒に、前に進んでいきます。

ふたり一緒が強み

 

杏奈さんと桃子さんは2歳違いの姉妹ですが、双子に間違われることも多いそうです。演奏はもちろんアンケートの回答にいたるまで、‟息ぴったり”な様子が手に取るように伝わってきました。なんでも分かり合える、喜びも苦しみも分かち合える、そして一緒だから頑張れる、そんな存在が身近にいることはとても素敵です。これからも息の合った演奏を楽しみにしています。

※文中の学年・年齢は、エントリー時のものです。
※アンケートインタビューは3月上旬に行いました。

全国大会での鈴木杏奈さん、鈴木桃子さんの演奏はこちら