4級

シューベルト:即興曲 Op.90-2

解説

フランツ・シューベルトは31歳という短い生涯の中で、歌曲、声楽曲、交響曲、ピアノソナタなど多くの作品を残した作曲家です。ハイドンやモーツァルトらの古典派の伝統を受け継ぎながら、ロマン派へと繋がっており、特に歌曲において素晴らしい才能を発揮しています。ピアノ曲では抒情的な旋律、そして意外な転調などの想像力に富んだハーモニーが特徴的です。シューベルトの即興曲は気分や情景などに重きを置き、それらを想起させる性格のピアノ曲である「性格作品」に含まれます。この曲は、左手の「ウン・パ」というレントラー(踊り)に似たリズムで構成され、冒頭の流れるような旋律と、中間部の激しさのコントラストが魅力的な曲となっています。

執筆者:宮崎結希

参考演奏