5級

バッハ:平均律 第 1 巻 第1番よりプレリュード

解説

今日、J.S.バッハ(1685〜1750)は、バロック音楽における最も重要な作曲家の一人であると言われています。生前、彼は作曲家というよりも教会のオルガン奏者として知られており、その作品の多くも教会のために書かれたものでした。それらの楽曲は一度演奏されるとそれきりになってしまうことが多かったようです。その中で、この平均律クラヴィーア曲集は教会のためではなく、彼の息子のための教材として書かれました。クラヴィーアとは「鍵盤楽器」の総称を意味しますが、当時はチェンバロが中心であったようです。作品の巻頭を飾るこの曲は、シンプルな和音を母体としながらも神々しさを持ち合わせた傑作であると言われています。

執筆者:山本大地

参考演奏