5級

ベートーヴェン:「水車屋の娘」のアリアによる6つの変奏曲

解説

変奏曲とは、ある一つの旋律が次々と形を変えながら展開していく楽曲のことであり、他の作曲家による旋律を用いて書かれることも多くありました。この楽曲も、イタリアの作曲家であるパイジェッロのオペラ「水車小屋の娘」の中の二重唱「うつろな心」をもとに書かれたものです。ベートーヴェンがこのオペラを、ある夫人と共に観ていたところ、二重唱の場面に差し掛かりました。すると夫人は、この曲をもとにした変奏曲の譜面を持っていたが失くしてしまったと、ベートーヴェンに打ち明けたのです。それを聞いた彼は、一晩でこの変奏曲を書き上げ、翌日には夫人の元へ届けたと言われています。

執筆者:山本大地

参考演奏