ショパン:ワルツ Op.64-1 子犬のワルツ
解説
ショパンは21曲のワルツを作曲しましたが、そのうち生前に出版されたのはわずか8曲でした。子犬のワルツとして広く知られるこの作品は、その数少ないうちの一つです。当時、ショパンの恋人であったジョルジュ・サンドが飼っていた子犬には、自分の尻尾を追ってぐるぐると回る癖がありました。これを音楽で表せないかとサンドに持ちかけられ、ショパンが書いたのがこのワルツだといわれています。まさに子犬が駆け回っているような目まぐるしい旋律もさながら、曲自体も非常に短く、英語圏では1分間のワルツという名でも知られているようです。なお、ショパンには猫のワルツと呼ばれる作品もあります。
執筆者:山本大地