5級

ルービンシュタイン:ヘ調のメロディ

解説

アントン・ルービンシュタインは、19世紀のロシア音楽界の重鎮であり、チャイコフスキーの師匠、そして親友としても知られています。彼は作曲家として膨大な数の作品を残しましたが、現在演奏されるのはわずか数曲のみとなっています。当時ロシアやチェコなどでは、固有の⺠謡や⺠族音楽をもとに自国の音楽を創造しようとする動きが主流でした。これを国⺠楽派と呼びますが、ルービンシュタインはドイツ音楽などの、いわゆる伝統的な流れを汲む作風であったのです。この作品もドイツ歌曲のような優しい旋律で親しまれていますが、先述のような理由で彼の作品の多くが不当に無視されていることは否めません。

執筆者:山本大地

参考演奏