5級

シューマン:子供の情景より「トロイメライ」

解説

ロマン派の作曲家であるロベルト・シューマンは、管弦楽曲や室内楽曲など、幅広いジャンルの作品を残しましたが、特に歌曲やピアノ曲、また、子供のための曲集でよく知られています。また、彼は生前、音楽評論家としても知られていましたが、その内容は詩的で物語性のあるものでした。そういったシューマンの気質は作品にも現れています。「ロマンティック」には「空想の」という意味があり、音楽では作曲者がゼロから頭の中で生み出すような作品、またはそうした想像の世界を題材にとる作品を「ロマン派」と呼びました。その意味で、「子供の情景」の中の「トロイメライ(夢心地)」は、非常にロマン派的な作品であると言えるでしょう。

執筆者:山本大地

参考演奏