5級

ブラームス:ワルツ Op.39-15 変イ長調

解説

ドイツの作曲家、ヨハネス・ブラームスは、時代区分としてはロマン派に位置しますが、その作品は古典派の影響も強いと言われます。彼は生前から真面目で無口な人物として知られ、作品もやや重苦しいと評されることがありました。しかし、このピアノのために書かれたワルツ曲集はブラームス自身も「無邪気な小さいワルツ」と言ったように、ごくシンプルで親しみやすいものです。その理由は、作曲の三年前にウィーンに赴いてその楽天的な空気に触れたからとも考えられています。この作品は曲集の15曲目に当たりますが、他の多くと同くレントラー(ワルツよりも遅い三拍子の舞曲)の雰囲気を持ち、「愛のワルツ」という名でも広く知られています。

執筆者:山本大地

参考演奏