グリーグ:春に寄す
解説
1843年に生まれたエドヴァルド・グリーグは、故郷であるノルウェーの⺠族音楽を基にした作品で知られています。彼の母親はピアノに⻑けており、自身も生前からピアノの名手として名を馳せていました。故に、彼は多くのピアノ作品を残していますが、大規模な作品は協奏曲とソナタそれぞれ一曲ずつであり、それ以外は全て小品や変奏曲などで占められています。グリーグはショパンの詩情的な小品群に惹かれていたのです。この作品は全部で66曲ある「抒情小曲集」の中の一曲であり、第3集の6曲目にあたります。各曲には全て作曲者による題名がつけられており、この「春に寄す」からも、まだ寒く澄み切った北欧の春を感じられるかのようです。
執筆者:山本大地