5級

パデレフスキ:メヌエット

解説

19世紀から20世紀の激動の時代を生きたイグナツィ・パデレフスキは、ピアニストとして世界に名を轟かせ、故郷ポーランドの首相を務めたことでも知られていました。しかし、作曲家としても旺盛な活動を行なったにも関わらず、その作品はほとんどが忘れ去られてしまい、現在でも演奏されているのはほぼこのメヌエット一曲に留まっています。彼が生きた時代はちょうどロマン派から近代音楽への過渡期であり、その時期に作曲家として後世に残る作品を書き上げるのは非常に難しいことだったのです。しかし同時に、パデレフスキのメヌエットは、作品が一曲でも人々に愛され続ける限り、作曲家の名前も生き続けることを示していると言えるでしょう。

執筆者:山本大地

参考演奏