5級

ドビュッシー:前奏曲 第 1 集より「亜麻色の髪の乙女」

解説

クロード・ドビュッシーは、印象主義と呼ばれる新しい音楽のスタイルを確立したフランスの作曲家です。彼はボードレールやマラルメなどの詩人、マネやルノアールなどの画家、その他同時代の芸術家たちから多大な影響を受け、これまでにない、色彩感にあふれた楽曲の数々を書き上げました。この作品も、フランスの詩人であるルコント・ド・リールの「スコットランドの歌」から着想を得たものです。当時ドビュッシーは、調性が不安定な楽曲を多く書いていました。しかし、詩に登場する少女の亜麻色の髪は、美術においては純粋さや純朴さを表すものです。彼がこの作品で用いたシンプルで美しい和音は、その表現のためであると言われています。

執筆者:山本大地

参考演奏