5級

ドビュッシー:子供の領分より「ゴリウォークのケークウォーク」

解説

「子供の領分」は、ドビュッシーの娘であるクロード=エマに捧げられた曲集で、6曲の小品から構成されます。できる限り単純な書法で書かれてはいますが、特に子供が演奏することを目的に書かれたわけではなく、むしろ大人が子供の気分に浸るための作品であるようです。この「ゴリウォークのケークウォーク」はその中で最も知られた作品であり、ドビュッシーには珍しい、笑いの音楽であるとも言われています。ゴリウォークとは、当時の絵本などに登場した黑人の男の子、ケークウォークはその踊りを指すようです。このことからこの作品は、⻄洋音楽と黑人音楽の最初期の出会いの例と言われることがあります。

執筆者:山本大地

参考演奏