7級

W.F.バッハ:春 イ長調

解説

作曲者のヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710〜1784)は、ドイツの作曲家で、音楽の父と呼ばれるヨハン・セバスチャン・バッハの長男です。彼の作品はあまり出版されなかったため、この曲も代表作の一つと言えるでしょう。この曲は、まさに“春”らしさが感じられる、明るく朗らかな曲想です。中間部では同主調であるイ短調に移り、ガラリと雰囲気が変わります。その後ドラマチックな展開を経て、曲頭に戻り明るく華やかに終わります。音数の多さで忙しい印象にならないよう、長いフレーズ感で歌うと良いかと思います。一曲のうちに様々な性格を持っているので、曲調の変化を意識していろんな音色を出せるといいですね。

執筆者:今井菜名子

参考演奏