7級

エルメンライヒ:紡ぎ歌

解説

エルメンライヒ(1816〜1905)はドイツの作曲家であり、ときに俳優、歌手としても活躍したと言われていますが、彼の作品や生涯についてほとんど明らかになっておりません。この曲は《音楽の風俗画》の中の 1 作品として作曲されました。“紡ぎ歌”とは、糸を紡ぎながら歌う民謡のことです。円を描くようなリズミカルな曲想で、糸車がくるくる回っている情景が浮かんできます。左手は単純に八分音符を刻んだ音形で、右手はシンコペーションが特徴的な面白い旋律になっています。アクセントやテヌート、スラー、スタッカートといったアーティキュレーション記号をよく意識し、忠実に演奏すると、この楽しい曲想がよく表現できるのではないでしょうか。

執筆者:今井菜名子

参考演奏