7級

シューマン:楽しき農夫 Op.68-10

解説

シューマン(1810〜1856)はドイツ・ロマン派を代表する作曲家です。1848 年に作られた《子供のためのアルバム》は、ほとんどの曲に題名が付いていることが特徴で、それぞれ小さな曲の中に高い音楽性が秘められています。いずれも彼の子供に対する優しさや、温かさに満ちた親しみやすい作品です。第 10 番《楽しき農夫》は、彼のピアノ曲の中でも最も有名な作品のひとつです。原題には、「仕事を終えて帰る楽しげな農夫」と具体的なテーマが示されています。冒頭には、“いきいきと快活に”との指示があります。全体的に左手でメロディーを奏でていることが特徴です。右手の軽やかな伴奏からは、仕事を終えた喜びや楽しげな雰囲気が伝わってきます。

執筆者:今井菜名子

参考演奏