7級

シューマン:初めての悲しみ Op.68-16

解説

《子供のためのアルバム》の第 16 番である《初めての悲しみ》は、《最初の喪失》と呼ばれることも度々あります。家で飼っていた小鳥が死んでしまったときの、長女マリーの悲しみがこの作品のテーマとなっています。初版譜の表紙画には、小鳥を手にして悲しんでいるマリーの様子が描かれています。全体的に落ち着いた雰囲気で、題名にある通り悲しみに溢れた曲ですが、何かを訴えるような強いエネルギーを持った和音も登場します。よく耳を傾けて、痛みを内包した音色を選びましょう。2 回出てくるフォルテピアノも、攻撃的にならないよう注意が必要です。

執筆者:今井菜名子

参考演奏