7級

バルトーク:冗談

解説

作曲者のバルトーク(1881〜1945)は、ハンガリーの作曲家です。ハンガリーの農村で民謡を収集し、さらにバルカン、中近東に足をのばしてその源流を探り、従来ハンガリー民謡と考えられていたロマの音楽に代わってマジャール人の音楽を発掘し、それらを作曲の基礎としました。1920 年代からは作風が大きく変化しますが、この曲は 1908 年頃に作曲され、《子供のために(85 のやさしい小品)》に収録されました。右手の出だしに表記されている“giocoso”とは“おどけて、楽しげに”といった意味です。意表をつくような休符やテンポの移り変わりが、まさにふざけた冗談を表しているような、どこかおかしな雰囲気を持つ明るい曲想です。

執筆者:今井菜名子

参考演奏