7級

ショスタコーヴィチ:楽しいお話 Op.69—4

解説

作曲者のショスタコーヴィッチ(1906〜1975)は、ロシアの作曲家です。西ヨーロッパのモダニズムを吸収した作風、様式を重んじた伝統的で壮大な作品、人間の内面の苦悩を表現する前衛的な作風が特徴です。ソ連音楽の第一人者であると同時に 20 世紀最大の作曲家の一人と言えます。この曲は 1945 年頃、娘ガーリャのために作曲された、《子供のノート(7 つのピアノの小品)》に含まれる曲です。“楽しいお話”という題でありながら、ホ短調で、不思議な雰囲気を持っています。予想できない展開は現代音楽の和声感に近く、子供の頭の中のような斬新な面白さを感じさせます。響きを楽しみながら、ある程度サラッと軽快に弾き切るのが良いかもしれません。

執筆者:今井菜名子

参考演奏