2級

シューマン:幻想小曲集 Op.12-5 夜に

解説

1837年~1838年にかけて作曲された、幻想小曲集全8曲のうちの第5曲です。ヘ短調で、楽譜にはアパッショナート(熱情的に)と書かれています。この作品について、シューマンは妻のクララに向けて、神話ヘロとレアンドロスの幻想的なシーンをいつも思い浮かべると手紙で書いています。夜、たいまつを持つ恋人の待つ灯台まで、レアンドロスは嵐で荒れ狂う海を泳ぎ、2人は抱き合いますが、別れ、最後には夜がすべてを闇に包むというような内容であり、この作品の暗く取り憑かれたような曲調からも想起できるものとなっています。

執筆者:竹本明星

参考演奏