2級

ショパン:練習曲 Op.10-3「別れの曲」

解説

通称「別れの曲」で有名なホ長調のエチュードです。レント・マ・ノン・トロッポ(ゆるやかに、しかしはなはだしくなく)の表記で始まる旋律は甘美で、比較的歌いやすい部分となっています。和声的な重音が増える中間部は、旋律と内声の弾き分けを保ちながら盛り上がっていくために、厳密なレガートのテクニックが必要になります。この作品が作曲された1832年は、ちょうどショパンが祖国ポーランドを離れてパリに滞在しているときであり、ピアノの弟子にこの曲をレッスンしながら、故国を懐かしんで泣き叫んだと言われています。

執筆者:竹本明星

参考演奏