1級

ベートーヴェン:ピアノソナタ 第 21 番ハ長調 Op.53「ワルトシュタイン」より第 1 楽章

解説

ベートーヴェンは貴族などに仕えなくなった、最初の独立した作曲家であるとしばしば言われます。そんな彼の音楽活動は、その音楽を愛する人々により(経済的にも)支えられていましたが、中でもベートーベンに大きな影響を与えた一人が、ワルトシュタイン伯爵でした。大変な音楽好きであった伯爵は、作曲家の卵であった若きベートーヴェンの才能を認め、教養ある年⻑者としても彼の成⻑に大きな役割を果たしたと言われています。多くの作品が伯爵に献呈された中で、なぜこの楽曲だけがその名で呼ばれるのかは不明ですが、まさに「モーツァルトの精神をハイドンの手から受け取り」、独自の書法に昇華した作品であると言えるでしょう。

執筆者:山本大地

参考演奏

冒頭譜例