3級

ベートーヴェン:ピアノソナタ 第 17 番ニ短調 Op.31-2「テンペスト」より第3楽章

解説

ベートーベンは生涯、32曲ピアノソナタを作曲していますが、この曲は、第17番として1801年から1802年にかけて作曲されました。『テンペスト』というのは、嵐という意味で、この3楽章は『嵐の中を急ぐ馬車の走行』をイメージして作曲されたので、常に緊張感を持ちながら、休む事なく動く、無窮動風な曲になっています。オクターブで力強く歌われたり、声部の入れ替わりや、主題が反行しながらクライマックスに向かいます。そしてコーダは第1主題が高らかに歌われて一気に盛り上がった後、そのまま遠ざかっていくように終わります。終始緊張感、切迫感が途切れないこの楽章は、とても迫力のある曲で、人気の高い曲の1つです。

執筆者:河野百花

参考演奏

冒頭譜例