3級

シューベルト:ピアノソナタ イ長調 D664 Op.120 より第 1 楽章

解説

この曲は、1819年の夏頃にフランツ・シューベルトが22歳の時に作曲しました。シューベルトは生涯ピアノソナタを21曲作曲していて、この曲は13番として収められています。冒頭、とても美しく温かい優しい旋律で始まります。愛らしく、温かい旋律ですが、第一転回形や左手の不安定な配置が効果的に使われているため、解決した時の、温かみをより強く感じられます。次第に左手の動きが印象的に曲を進めていき、両手でオクターブの音階で駆け上がり、力強く盛り上がります。シューベルトらしい愛に溢れた旋律のこの曲は、彼のピアノソナタの中でもとても愛されている作品です。

執筆者:河野百花

参考演奏

冒頭譜例