3級

ショパン:練習曲 Op.25-12「大洋」

解説

ショパンが作曲した『12の練習曲 作品25』の最後の曲として出版されました。出だしから両手の分散和音で始まり、低音域から高音域までを大波のように駆け上り一気に駆け降りるくるこの曲は演奏者の、素早いポジション移動の技術力が必要な曲です。楽曲通して、フォルテやフォルティッシモで分散和音が演奏される中で、アクセントや四分音符で長いフレーズの旋律を描きながら、調性が変化していきます。クライマックスに向けて、大きな波の流れの中により一層強い力が生まれ、最後は重厚な和音で、強い光が差したように決然と締め括られます。

執筆者:河野百花

参考演奏

冒頭譜例