3級

ラヴェル:ハイドンの名によるメヌエット

解説

この曲は、1909年、ハイドン没後100年を記念して、パリの月刊音楽雑誌がハイドンにちなんだピアノ曲の作曲を、ラヴェルやドビュッシーなどの6人の音楽家に依頼し、作曲されました。出版社の依頼の条件として、HAYDNの5文字をそれぞれ、『シラレレソ』の音にあてはめて主題を作るように言われたラヴェルは、冒頭からこの音列で始め、更にこの音列を、逆から読んで生まれる音列『ソレレラシ』や楽譜を上下反対に読むと生まれる『レソソドシ』の音列も使用し、僅か2分程度の曲の中で巧みにハイドンという偉大な作曲家を讃えています。とても穏やかな気持ちになる、シンプルな曲想の中に、さまざまな工夫が組み込まれているこの曲は、色々な楽器にも編曲され、演奏されています。

執筆者:河野百花

参考演奏