3級

ラフマニノフ:幻想小品集 Op.3 より第1番「エレジー」

解説

この曲は、ロシア人ピアニスト、ラフマニノフが19歳のときに作曲したピアノ独奏曲です。全5曲から成るピアノ独奏曲集『幻想的小品集』の第1曲として収められています。4分の4拍子のゆったりした曲調で書かれ、左手の分散和音の上に、作曲当時19歳とは思えない程の、悲哀に満ちた哀愁漂う旋律が歌われています。中間部では、低音に旋律が現れ、次第にそれが高音に現れ、次第に感情が高ぶっていきます。人間の胸の内の、暗く、切ない嘆きが聞こえてくるこの曲は、人間味が強く、感情移入しやすいためか、多くの人に愛され、フィギュアスケートでも使用されています。

執筆者:河野百花

参考演奏